外傷、関節リウマチ、痛風
外傷、関節リウマチ、痛風
外科的な処置や手術を受けた後のリハビリテーションは、患者さんが最適な回復を達成するために非常に重要です。リハビリは、患者さんの状態や手術の種類に応じて異なります。
整形外科領域のリハビリテーションは、患者さんの状態や手術の種類に応じて個別に設計されるため、手術した整形外科医やリハビリテーション専門医と密に連携して進めることが大切です。
骨折は折れるだけでなく、ヒビや骨の一部が欠けたり、へこんだりした状態を指します。
骨折の治療では、骨の修復だけでなく、その周囲の関節や筋肉も健康な状態にしなければいけません。そこで必要となるのが骨折後のリハビリテーションです。もちろん受傷直後は痛みも強く、骨折部周辺は炎症や筋肉の破損を伴っていることが多いため、まずは骨折部位を安静にし、骨転位(骨が本来の位置からずれた状態)があれば正しい部位へ安定させることが最優先となります。
ただし、必要以上の安静はかえってよくありません。筋肉や関節は数日動かさないだけでも萎縮(いしゅく:筋繊維がやせ細った状態)や拘縮(こうしゅく:関節がこりかたまって動きが悪くなる状態)が始まります。痛みを伴わない部位のリハビリは骨折の処置をして日を空けずに開始することが理想です。
一般的に骨折の治療にかかる期間は、年齢や体力、骨折部位や手術の有無にも左右されますが、おおよそ3ヶ月~6ヶ月と考えられています。
熱などの刺激で皮膚・粘膜が損傷している状態が「やけど」です。熱湯、火、電流の他、薬品などの刺激もやけどの原因となります。やけどはとても身近な創傷で、冷却などで対処される方も多いでしょうが、早期の治癒を促し、痕を残さないためにも、しっかり治療を受けましょう。
やけどを負ってすぐの応急処置流水、氷嚢や冷やしタオルなどで冷却し、痛みを抑えます。無理に衣服を脱ぐと皮膚が一緒に剥がれますので、衣類の上から冷やしてください。腕1本を超える面積のやけど、気道のやけど、薬品によるやけどを負ったときには、すぐに救急車を呼び、病院で治療を受けましょう。
受診後の治療軟膏、抗生剤の投与、傷の治癒を促進する薬剤などの治療を行い、やけどの進行と感染リスクを抑えます。治療は、上皮が再生しても続きます。痛み、かゆみなどを抑えることも大切になりますので、自己判断での治療中止はおやめください。
関節リウマチとは、身体のあちこちの関節が痛んだり、腫れたりする病気です。進行すると、関節が変形してしまいます。原因は不明ですが、免疫(細菌などから身体を守るシステム)の異常、遺伝子の異常、ウイルスや細菌感染などが組み合わさって起こるのではないかと考えられています。関節リウマチは決してめずらしい病気ではなく、どの年代においても発症し、特に女性に多いといわれている病気です。
全身の関節内に炎症が起こると、痛みや腫れを起こしてしまいます。そうすると、関節内にある関節液が増えることで、軟骨や骨自体の破壊が進んでしまい、関節の役割が損なわれて、放っておくと関節が変形してしまいます。関節リウマチの治療については、近年、疼痛の軽減から骨や関節破壊の防止へと変化をみせており、治らない病気から治る病気へと変わってきています。
早期診断し治療をしていけば骨や関節破壊の防止につながります。
関節リウマチの症状として、関節の痛み(最初は手や足の指の関節が多い)や腫れ、朝起きた時に関節が動かしにくい、こわばる、手が握りにくい、微熱やのどの痛みが数週間続くなどがあげられます。
関節リウマチは、早期に発見することにより、内服薬、または点滴や注射を使用する治療で、関節リウマチの症状はほぼ抑えられ、関節の変形を防ぐことが可能な時代になっています。
関節の痛みや腫れは、年齢とともに起こる変形性関節症や変形性脊椎症に多く見られますが、関節リウマチが隠れていることもあります。関節リウマチは、早期診断・早期治療が重要です。少しでも気になる症状がございましたら、なるべく早くご相談ください。
痛風は、ある日突然、足の親指などの関節が腫れて激痛を引き起こす病気です。この痛みは発作的であることから「痛風発作」と呼ばれており、「風にあたっただけでも痛い」と例えられるほど激烈です。
発作が起こると局所の発赤、腫脹、熱感、圧痛が24時間以内にピークに達し、2~3日は痛みが継続します。その後、痛みは徐々にやわらぎ1週間~10日程度で消失します。好発部位は足の親指のつけ根ですが、足関節や膝関節、足の甲、アキレス腱のつけ根、手関節、肘などにも生じます。1つの関節に起こる特徴があり、2つ以上の関節に同時に発症することは稀です。
痛風は現代医療においては、有効な薬も開発されており、正しい治療を受ければ、これまで通りの生活を送ることができます。しかし放置していると、関節の激痛が繰り返し起こり、発作を起こすたびに病態が悪化します。悪化すると体の至るところに結節(肉芽腫)ができたり、腎臓に悪影響を及ぼしたりするため注意が必要です。痛風にみられる特徴的な症状がある方はお早めに受診ください。
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